この度、小説家になろうで開催されていたタイアップ企画
「comicスピア コミカライズ原作大賞」で下記の作品
「異世界転生して幻覚魔術師となった私のお仕事は、王子の不眠治療係です」
がなんと、準大賞と特別賞を頂きました!
受賞作はコミカライズして、Renta! さんで電子書籍として連載をしてもらえます!
しかも特別賞も同時に頂いたので、原作小説まで電子書籍化してもらえるようなのです!
4年前に完結していた作品をまさかこうして拾って頂けるとは思っておらず、ただただ感謝です。
タイトルが長すぎて何と略せばいいのか……
毎回毎回あの長文タイトルを打っていては私の指が死んでしまいます。
そして打ち間違えるに違いない!
というわけで悩んだ結果、これから「幻覚治療」と略すことにします。
折角なのでこの幻覚治療ってどんな作品なのか簡単にご紹介すると共に、執筆して学んだことを皆さんと共有できればと思います。
幻覚治療ってどんな小説?
「異世界転生して幻覚魔術師となった私のお仕事は、王子の不眠治療係です」
このタイトルで多分、話の内容の8割ぐらいは分かるんじゃないかなと思ってます。
異世界転生した主人公が持ち前の幻覚魔術を使って、王子の不眠治療を行うお話となっています。
以上!
え、それだけ? はい、それだけです!
もう少しだけ詳しく説明しますと、
無能な上司に逆らって仕事をクビになった主人公が
王子の不眠治療という三食宿付きの美味しい仕事に飛びつき
心に傷を負い不眠になった王子を
幻覚魔法で面白おかしく治療する話です!
なんやそれ、もうちょい真面目に説明せいやー!
って座布団投げられそうなんですが、それ以外に説明のしようがないんですよね、困ったことに……
ちょこっと創作秘話
幻覚治療は私にとって、ある意味挑戦で書いた作品でもありました。
私の書くヒーローは比較的序盤から主人公大好き!
っていう溺愛キャラが多いのですが、
恋愛ってある意味くっつくまでが面白いよな~って思い挑戦したのが
恋愛において好感度ゼロ、むしろマイナスからのスタート!
しかし、ここで問題が発生。
私自身、銀魂が好きで、コメディとシリアスを融合させた話を書きたかったんですよ。
銀魂って、普段はコメディってめっちゃ笑わせてくれるのに、
シリアスなシーンは格好よくてめっちゃ感動するんですよ。
そのノリを真似したくて序盤ギャグ寄りで書いていたら、恋愛のれの字もない!
しかも主人公リアの価値観が 恋愛<<仕事 という意識が強いため恋が始まらない!
前半に恋愛要素の欠片も感じられないのはきっとそのせいです、反省してます……
少しそれを補充するために、本編で長くなりそうだな~と
フラグだけ立ててすっ飛ばしていたミーティア神殿編を2万字ほど書き足してみました。
お城から飛び出して、泊りがけで王子の任務に同行するイベントです。
電子書籍化して頂く際に入れてもらえるかはまだ分かりませんが、どうか採用して頂けますように!
幻覚治療を書いて学んだこと
幻覚治療を書いて私が学んだ事を2点、ここでは紹介させて頂きたいと思います。
完結させるために終着点を決めておく事の大切さ
実は私、色々小説を書いてはいるものの、長編小説を完結させたのはこの幻覚魔法が初めてなんです。
じゃあ何でこの小説をきちんと完結まで書けたのか、それは最初に終着点を決めておいたからなんです。
というのも、私が小説家になろうに小説を投稿していた当時、ランキングというのは連載中のものばかりでした。
それを見て、小説って完結させなくてもいいんだ! という認識を持ってしまったんです。
その結果どうなったかと言いますと、まぁ見切り発車で書き始めた作品をどう展開していこうか悩んで、泥沼にはまって筆が止まるという苦い経験を数回味わいました。
書きたいエピソードや少し先の展開は思いついても、それをどうやってエンディングに結びつけるか、その道筋が立たなくなってしまったんです。
子供編が長すぎて、いつ成長させて学園編にいけばいいんだろう?
学園編も、ゲーム通り音楽科に行くか、入学までに錬金術で何か功績を残して魔法学科を新設させるか?
と、先の展開で迷走中なのです。
三角関係のお話なのですが、ヒーローを決めきれないという致命的なバグが発生しました。
最初はクリスとくっつける予定だったんですが、私の悪役を悪役にしきれない悪い癖が出てしまいまして、ハーネルドにも頑張って欲しいな~とか考えてたら、結局どっちとくっつくんだ?!
と私自身迷走してしまい筆が止まってしまってるんです。
両方のエンディングまでの道筋を考えたりして、どっちを採用するか本当に決めれない……
しかも初めて三人称で書いた長編小説で、慣れないのも拍車をかけていたりします。
とまぁこんな感じで、更新ペースが落ちた事で読者の皆様からも作品を忘れられ、更新する度にブックマークが減っていくという悪循環。
頑張って続きを書いても、もうこの作品の続きを待っててくれる人は居ないのかもしれない。
そう思ったら余計に続きを書くのが億劫になってしまったんです。
しかも厄介な事に、作品に対する思い入れだけはかなりあるので、
矛盾が生じるような半端な続きを書きたくない!
という変な意識も働き、なお筆が進まない……
これじゃだめだ!
と思い、必ず完結させると決めて書いたのがこの幻覚治療なんです。
恋愛以外に、王子の不眠を治療したら終わり! という分かりやすい目標を胸に刻み書きました。
どう転んでも王子の不眠が治ればええんや! という終着点がある事で、多少蛇行運転しても終わりに導いていけました。
なので長編小説を必ず完結させたい方は、最初に終着点だけはきちんと決めておく事をオススメします!
キャラクター設定をメモしておく事の大切さ
長編小説を書いていると、キャラクターがどんどん増えていきますよね。
これ出てきた時に、簡単なキャラクター設定を絶対メモっていった方がいいです!
キャラの名前、年齢、性別、職業や肩書、性格、見た目の特徴
それに加えて、一人称と二人称!
筆が乗って執筆してる時は、頭の中にきちんとキャラクター造形が入ってるからいいんですが、
問題は時間が経った後なんです。たとえば……
- 続きを書くのに時間が空いてしまった時
- 一度完結させた物語の番外編や続編を書きたいと思った時
- 数年前の作品がひょんなことから書籍化やコミカライズなどのお誘いを受けた時
キャラの細かい設定を忘れていたりして、
あれ、このキャラは自分の事を私って言うっけ? 俺? いや僕?
相手に対しては、君? いや貴方? いやお前?
という感じで、少なからず疑問が生じると思うんです。
そんな時にキャラクター設定をまとめたものが一枚あるだけで、かなり違います。
全部を読み返して思い出しながら一から作るのと、キャラクター設定を見て懐かしさがこみ上げ思い出すのでは、作業量がかなり違います。
話の続きや番外編を書こう! って時に、前者はまず読み終えてキャラ造形を思い出さないと書けません。
しかし後者は得たい情報がピンポイントでまとめられているので、すぐ執筆に入れます。
今までそんなの作ったことないよ~って方は、騙されたと思って是非作ってみて下さい。
余裕があれば世界観やスキル説明なんかも資料作っておくと便利です!
ちなみにこれは完全に余談なのですが、
私が幻覚治療を書いていた当時、車の中でよくSPYAIRさんの『BEAUTIFUL DAYS』を聞いていたんです。
その歌詞の中に
プラスにもっと変えていける
そうやって信じていこう
誰かが君を笑っても
俺は笑ったりしないよ
というフレーズがあって、すごくいいな~と思ったんですよ。
普段おちゃらけていても、相手が本当に困ってる時や悩んでいる時に、そうやって実行できるヒーローとヒロインであって欲しい
というイメージを持ちながら書いていました。
なので自分の中でインスピレーションを受けたイメージを持ちやすい歌などあれば、メモっておくといいかもしれません。
その当時の気持ちを思い出すのに役立ちました!
おわりに
こうして4年前の作品が受賞できたのも、拙作を読んでくれた読者の皆様のおかげだと思っています。
本当にありがとうございます!
その当時、自分の中で面白い!
と思う要素をぎゅっと詰め込んで書いた作品がこうして認めて頂けた事が、本当に嬉しかったです。
ゲームに逃げていた執筆欲が戻ってくるぐらいに
また誰かに面白い! 楽しかった!
って読んでもらえる作品を書きたいなーと強く思うようになりました。
ただ今回の教訓を生かして、今後発表する長編小説はエンディングまでの道筋がきちんと立っている段階まで書き終えてから投稿していく予定です。
- 終着点をきちんと決めてから書く!
- キャラ設定はこまめに書いていく!
この2点を念頭に置いて、これ以上エターナル作品を生み出さないために、精進していこうと思います。
願わくば、自分の中の面白いが、皆さんの面白いと重なりますように!
最後までご拝読頂き、ありがとうございました!
この記事のトップ画像と挿入している画像は、株式会社パピレス様のcomicスピア コミカライズ原作大賞結果発表ページよりスクリーンショットをお借りしています。
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